経営数字もデータもすべて全社員に共有してみたらメリットしかなかった話

October 2, 2018
コラム | Column

株式会社 Oneteam、CFOの山田です。

一般的に、会社には「経営陣しか知らない情報」や「一定のレイヤーまでしかおりてこない情報」が存在します。特にクローズドにすべき情報ではなくても、「公開しないのが暗黙の了解」という会社では、自分が関わる部署の売上や利益以外は知らない、という人も多いでしょう。

一方で、Oneteamのように、経営数字まで包み隠さず社員に開示している会社もあります。ここでは、Oneteamが推奨する「オープンな会社」になることのメリットとデメリットをご紹介します。

「オープンな会社」ってどういうこと?

Oneteamが考える「オープンな会社」とは、普通は経営陣だけで留めてしまう売上や利益、出資者からのアドバイス、社員の生産性に関するデータなど、すべての情報を区別することなく共有する会社です。

最初に、会社の情報開示の方法について考えてみましょう。基本的に、会社から社員への情報開示は、以下の2つの方式に分けられます。

1.ホワイトリスト方式

情報は基本的に非公開を前提として、「開示する情報・レイヤー」を決める。

2.ブラックリスト方式

情報は基本的に公開を前提として、「開示しない情報」のみを決める。

1.のホワイトリスト方式の場合、本来的には隠す必要のない情報まで隠しておき、少しずつ情報を小出しにしていくことになります。従業員が経営陣に対して疑問を持つことを良しとしない会社に多いパターンです。

他方、オープンな会社が採用しているのは、2.のブラックリスト方式です。

Oneteamの場合、経営会議の資料も全社に共有されるので、売上や利益はもちろん、経営上の課題、出資者であるベンチャーキャピタルからの厳しい指摘やお叱りまで、全社員に筒抜けです。もちろん、自分の部署だけではなく、すべての部署のKPIや目標に対する進捗、課題も見ることができます。

情報開示は「正のスパイラル」への入り口

他社から見れば、Oneteamの情報共有の仕方はあまりに透明性が高すぎて、不安になるレベルかもしれません。しかし、こうしたやり方には、もちろん目的と意味があります。

経営に関する情報を隠していると、社員は会社がいま置かれている状況を想像するしかありません。

「なんとなく悪い状況な気がする」という憶測が飛び交い、「経営陣がだめだから」という不穏な空気が蔓延して、愚痴を言うだけで動かない社員が増えるという負のスパイラルが生まれるのはこうしたケースです。


しかし、情報を開示している会社の従業員は、憶測に翻弄されることなく、正確な情報をキャッチして、自分にできる範囲で正しい行動を起こすことができます。

従業員自らが情報を元に判断することによって、経営陣からの「What」や「How」を待つのではなく、自分から見つけ出せるようになるのです。

情報を開示するだけで正のスパイラルに入れるというわけではありませんが、自分で課題を探して対策を考えるクセをつけるためには、常に情報を開示しておくべきでしょう。

情報の分断は、「自分には無関係」「上がなんとかするべき」という思考停止につながります。

情報をオープンにしてみて感じるメリット・デメリット

実際に、情報を徹底的にオープンにしている企業にいて、感じるメリットとデメリットを挙げてみましょう。

<メリット>

社員の課題設定力が上がる

「知る」ことは、課題を解決しようという意識の喚起につながります。さらに、そこからより詳しい情報を深掘りしたり、自ら調べたりすることによって、「課題設定」ができるようになります。

課題設定できる社員が増えれば、経営陣は現場の仕事の進め方やタスクまで考えずに済み、健全な分業ができるようになるでしょう。部署を超えた協力体制も築きやすくなります。

<デメリット>

考える習慣がない人にはなじみにくい

経営陣から下りてきた課題に取り組むのが当たり前という状態に長く身を置いていて、自ら考える習慣がない人には、情報をオープン化して社員の自主的な行動を促す環境は戸惑いがあるかもしれません。

情報が与えられている分、現実と向き合わなければならず、逃げ場がないことを「つらい」「しんどい」と感じる人も多いでしょう。

情報のオープン化には、ほぼメリットしかない

中途入社した人からは、前職との違いに戸惑いながらも、「最初は情報をオープンにすることが少し怖かったが、公開した方が実は楽だとわかった」と、現在の環境を評価する声が多く聞かれます。

指摘されたり、叱責されたりすることが増えるのではないかという恐れから情報公開を躊躇する人もいますが、情報が共有されると思わぬアドバイスを得られたり、課題に共感して協力してもらえたりという大きなメリットがあります。

情報を見て結果を評価するのではなく「結果からどうするかを考える」文化があれば、共有するメリットのほうが圧倒的に大きいと言えるでしょう。

社員に限られた情報しか与えず、「社員の自主性が足りない」と嘆いている経営者の方は、会社の情報をオープンにすることにチャレンジしてみるといいかもしれません。


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